少しハイレベルな話題になるが、最近二つのアンプが米英から輸入され、街に出まわることになった。
 一つは以前マランツ社(米)でアンプの製作にたずさわったことのあるボンジョルノ氏が香港に本社をおく(人件費のためらしい)新会社SUMO社を設立し、その第一作としてザ・パワー400Wとザ・パワーゴールド125W(A級)を新発売する。この特徴は二台のアンプを合成した形をとり、きわめて安全な回路構成(差動平衡型増幅回路)を採用していることで、わかりやすというと、従来のアンプではスピーカーのインピーダンス(たとえば8オーム)が楽器の音域(周波数)によって2オームぐらいまで下がるときがあり、このときに、いちじるしく再生音に歪みを生じてしまう。それがこのSUMOでは解消された点にあるという。面白いのはスモーの社名は日本の角力からとったそうで、二台のアンプを組み合せたところが、さしずめ、がっぷり右四つに組んだ意味合いを持たせているらしい。音というのは不思議なもので、人間の可聴帯域は高域はせいぜい二万ヘルツまでだが、十万ヘルツ出るアンプと七万ヘルツ止まりのそれを、一万ヘルツ前後の音で聴き分けられるそうだ。2オームのとき、劣化した音も同様、はっきり聴き分けられるので、SUMO社のアンプのよさを日本のオーディオ愛好家ならわかってもらえるだろうとボンジョルノ氏はいっているそうだ。ちなみにザ・パワー400Wの市販価格は九十四万五千円。
 もう一つは英国QUAD社から新発売のコントロールアンプ・モデル44。管球式のモデル22は、コストパフォーマンスの点でも世界屈指の名アンプだったと私はいまも思っているが、トランジスター化されたモデル33はいまひとつ感心しなかった。こんどのはそういう高級マニアをも満足させる、いかにも英国好みな、家庭でレコードを聴くにはこれで十分といういい音らしい。価格十八万五千円というのも手ごろで、クォード社がモデル33以来十二年ぶりにだすアンプだから、まずわるいわけはないだろうと思うし、すでに聴いた知人の評価もなかなか高いようだ。

製品価格は一九七九年八月現在)