今週はいろいろ聴きものが多い。
 まず十日
(一九七九年八月)夜NHKFM(夜八時五分)の特別番組「西ドイツのオーケストラ」でジイメルマンが、リストのピアノ協奏曲を弾く。ショパンで一応合格点の演奏を聴かせたこの青年ピアニストが超技功的なリストをどのように弾きこなすか。私自身はリストの音楽は嫌いだが、ジイメルマンの演奏テクニックをうかがい知るには好個の番組だろうと思う。このあと、オイゲン・ヨッフムでブルックナーの「交響曲第八番」があるのも楽しみ。ヨッフムは日本ではあまり高い声価をうけていないようだが、アムステルダム・コンツェルトヘボーを振った彼の名演は多い。今夜(十日)の第八番はベルリン・フィルで、アムステルダムとどう違うかも玄人には興味があろう。玄人好みといえば、来週NHKFM(午後一時)から、これは再放送ものだが、「リハーサル風景」がある。
 月曜日
(十三日)はフルトヴェングラーで「レオノーレ第三番」と「未完成」のリハーサル。フルトヴェングラーの肉声が聞けるだけでも彼の熱狂的ファンには聴きのがせぬ時間だ。
 さらにフォーレの「エレジー」がこれはパブロ・カザルスの指揮で練習され、曲はわずか八分間の小品だが、そのリハーサルに二十五分かける光景が、音で聴き取れる。音質そのものは余りよくないのが残念だが、亡き巨匠の練習ぶりを知る機会は現実には望めないのだ。我慢しよう。
 火曜はアンセルメ。手兵のスイス・ロマンドを率いたベルリオーズ「幻想」の練習で、アンセルメともなればそう珍重とはいえまいが、練習が四十三分、全曲は五十一分だから、どのへんではオケにまかせきり、曲のどこでくり返しダメを出しているか、知る楽しみはあるだろう。
 水曜はモントゥーが「英雄」、カラヤンはモーツァルトの「交響曲三十九番」のそれぞれリハーサルと全曲。
 木曜はベームでシューベルトの「交響曲七番」、カール・リヒターでバッハの「クリスマス・オラトリオ」第一〇曲、第二一曲のリハーサルおよび全曲という具合で、後半は現存の指揮者だから有難味は少ないようなものの、その分、音はいいわけだ。こういう再放送は歓迎だ。