カセットでエアチェックしている向きに耳よりな話。
 一つはアメリカ・オルソップ社のデッキ・クリーナー(千五百円)が日本でも店頭に、出まわりはじめた。見てくれはカセットテープと同じで、テープの部分がフェルト・パットになっており、これに付属のクリーニング液を塗ってデッキにセット、再生状態にすると、デッキの巻取りリール軸の回転につれ、ヘッドに当たる部分が自動車のワイパー式にヘッドをクリーニングする。一回約三十秒でキレイになる。キャプスタンやピンチローラーに触れる部分を同様フェルト・パットで拭き取れる仕掛けだから、デッキの掃除に無関心なモノグサ人間には打ってつけだろう。ただし、音色を重視するならカセットデッキとて消磁器(ヘッド・イレーサー)を使うことを忘れてはならない。
 つぎに、これはナショナルからカセットテープの早巻き器(千九百八十円)が発売された。現在のデッキは総じて早送りのスピードが遅く、どうかすればたるみを生じることがある。たるみはキャプスタンやピンチローラーに巻きつくトラブルを起こしやすいがこの早巻き器だとC60のテープが約一分間で巻きおさめられ、たるむこともない。オープンリール用にも早巻き器は海外で見かけるし、(昔は日本のティアックでも、たしか売り出していた)、別に目新しい製品というわけではないが、エアチェック中に、つぎに使用するテープを頭を出しておいたり、途中で終わったのを巻き戻したり、用途は多く、これが一台あるとワグナーの楽劇など長時間なオペラものの収録に便利。乾電池式(単三型電池三個)で、C60テープなら約一時間連続使用できる。
 私は、じつは三井啓氏の紹介記事で知ったのでさっそく使用してみたが、テープをカセットワインダーにはめ込んでスイッチを押すだけ。終われば自動的にストップする。早巻きはオープンリールだと、しばしばテープを損ね、若布状にしてしまうので使用はすすめられぬが、カセットならその心配もあるまい。モノグサ氏への推奨品。

(製品価格は一九七九年八月現在)