レコード針に付着する汚物は、たいがいの人が小さな刷毛や、ブラシで除去している。カートリッジを買えばそんなブラシを付けてくれるメーカーもあるが、じつはレコード面のトレースで付くスタイラスの汚物は、少々針先をこすったくらいでは取れないので、マニアになると専用の倍率の高いレンズ(時計の修理工が使うもの)を用意して、これで覗きながら針先の汚物を削ぎ落している。それでもなかなかキレイにはならぬものだ。
最近、ティアック社でそんな手間を省くスタイラス・クリーナーTZ60が売り出された。特殊クリーニング液を滲み込ませた小さなブラシ(といっても円形になっている)の上に、適性針圧でプレーヤーの針をおろすと、電池の働きでブラシが作動し、五〜二十秒間で汚れをキレイに除去してくれる。こういう製品に私はたいへん懐疑的だったが、こんどばかりは使用後、明らかに鳴る音までクリアーになったのには感心した。三千八百円(一九七九年四月現在)というのは高いような気もするが、マニアなら常備して無駄にはならんだろう。
もう一つ、デッキやチューナーからアンプへの接続コードの、プラグおよびジャックが錆びつくと音質の劣化をきたすので、時折り、クリーニングすれば格段に音がいきいきするのはマニアなら知っていようが、このジャックの掃除が実はなかなか厄介である。細い棒先に綿や白布を巻きつけてプラグの内側をうまく(それも丹念に)拭き取らねばならない。シンの疲れる作業だが、こんど、これもティアックからプラグおよびジャック専用のチップが発売された。アンプの接続端子は周知のように凹型(ジャック)なので、この口径に合わせたチップに、添付の清掃液と金属表面保護液を塗布して、ジャックに挿し込み、くるくる回せばおのずと内部がキレイになる。プラグのほうも凸に合わせたチップで同じことをやればいいわけだ。何にせよ使ってみて非常に便利だったので、紹介しておく。これの名称はTZ50クリーンシックス。オーディオ店へ行けば売っているはずだ。