境界線の最近のブログ記事

「オーディオABC」に載っているオーディオ周波数の図は、
各音域の呼び方以外に、音の感じ方とその効果について、もふれられている。

重低音域は「鈍い 身体ぜんたいに圧迫感」、
重低音域と低音域の重なるところ、おおよそ40、50Hzのところはは「音というより風圧または振動に近い」、
低音域は「ブンブン、ウンウン唸る音、重い感じ」、
中低音域と重なるところ(160Hz前後)は「ボンボン、ドンドン腹にこたえるいわゆる低音」、
その上の音域、中低音域と中音域のところには「楽器や人の声の最も重要な基本音を含む」と
「カンカン、コンコン頭をたたかれる感じ」、
中音域と中高音域の重なるところ(2.5kHz近辺)は「キンキンと耳を刺す 最も耳につきやすい」、
高音域は「シンシン、シャンシャン浮き上るような軽い感じ」、
10数kHz以上の超高音域は「楽器のデリケートな性格を浮き彫りにする 音の感じにならない」とされている。

そして30Hz以下の音については「市販のオーディオ機器やふつうの放送、レコードでは再生されない」、
30Hzから160Hzぐらいは「ふくらみ、ゆたかさなどに影響」、
100Hzあたりから2.5kHzのわりとひろい帯域を「再生音全体の感じを支配する再生音の土台」とされ、
さらにこの音域の下の帯域は「力強さ、量感、暖かさなどに影響」、
上の方の帯域は「音が張り出す、またはひっこむなどの効果に影響」、
2.5kHzから10数kHzあたりの音域の、下の方の帯域は「はなやか、きらびやか、鋭い音」、
上の方の帯域は「繊細感、冷たさ」、
10数kHz以上の超高音域は「音がふわりとただようような雰囲気感」とされていて、
本文のなかで、各音域の呼び方よりも、各音域の音の効果のほうを重視してほしい、と書かれている。
人の声が中音域だとすれば、その上限は意外と低い値となる。

声楽の音域(基音=ファンダメンタル)は、バスがE〜c1(82.4〜261.6Hz)、バリトンがG〜f1(97.9〜349.2Hz)、
テノールはc〜g1(130.8〜391.9Hz)、アルトはg〜d2(196.0〜587.3Hz)、
メゾ・ソプラノはc'〜g2(261.6〜783.9Hz)、ソプラノはg'〜c2(329.6〜1046.5Hz)と、
約80Hzから1kHzちょっとまでの、ほぼ4オクターブ弱の範囲であり、
2ウェイ構成のスピーカーであれば、ウーファーの領域の音ということになる。

タンノイ、アルテックの同軸型ユニットのクロスオーバー周波数は、1kHzよりすこし上だから、
トゥイーター(ホーン型ユニット)が受け持つのは、人の声に関しては倍音(ハーモニクス)ということになり、
オーディオにおける高音域は、倍音領域ともいえるわけだ。

瀬川先生の区分けだと、人の声は、中低音域と中音域ということになり、
中高音域、高音域、超高音域と、「高」音域は、ほぼ倍音領域である。

瀬川先生の区分けは、音の感じ方を重視して、のものでもある。
アンプの重量バランスの違いによって生じる音の差だけを、純粋に抽出して聴くことはできない。

アンプの音は、いうまでもなく重量バランスだけによって決定されるものではなく、
回路構成、パーツの選択と配置、筐体の構造と強度、熱の問題など、
さまざまな要素が関係しているは、福岡伸一氏のことばを借りれば、動的平衡によって、音は成り立つからだろう。

福岡氏は、週刊文春(7月23日号)で、
「心臓は全身をめぐる血管網、神経回路、結合組織などと連携し、連続した機能として存在している」
と書かれている。

これを読み、じつは「境界線」というテーマで書くことにしたわけだ(続きはまだ書いていないけれど)。

動的平衡と境界線について考えていくと、意外に面白そうなことが書けそうな気もしてくる。

オーディオにおける境界線は、はっきりとあるように思えるものが、曖昧だったりするからだ。

そして境界線といえば、川崎先生の人工心臓は、この問題をどう解決されるのか──。

クライン・ボトルから生まれた川崎先生の人工心臓は、どういう手法なのかは全く想像できないけれど、
トポロジー幾何学で、境界線の問題を解決されるはず、と直感している。

そこからオーディオが学べるところは、限りなく大きいとも直感している。
瀬川先生は、「オーディオABC」のなかで、可聴帯域の20Hzから20kHzまで、こまかくわけて図に示されている。

重低音域(20〜50Hz)、低音域(50〜150Hz)、中低音域(150〜450Hz)、中音域(450Hz〜2kHz)、
中高音域(2k〜4kHz)、高音域(4k〜12kHz)、超高音域(12k〜20kHz)といった感じにわけられている。
括弧内の数字は、私が図から読みとった数値なので、
だいたいこのくらいまで、という程度として受けとっていただきたい。

いま目の前に3ウェイのスピーカーシステムがあったとしよう。
そのスピーカーのウーファーが受持つ帯域が低音で、スコーカーの帯域が中音、トゥイーターの帯域が高音、
そういうふうにもわけることができる。
たとえばヤマハのNS1000Mのクロスオーバー周波数は、500Hzと6kHzだから、
500Hzまでが低音域で、500から6kHzまでが中音域、6kHz以上が高音域ということか。

他のスピーカー、たとえば4ウェイのJBLの4343は、
低音(Low)、中低音(Mid-Bass)、中高音(Mid-High)、高音(High)となり、
それぞれのクロスオーバー周波数は300、1.25k、9.5kHzとなっている。

4343では、300Hzまでが低音域で、300から1.25kHzが中低音域、1.25kから9.5kHzまでが中高音域、
9.5KHz以上が高音域ということになるのだろうか。
そして、ミッドバスとミッドハイのふたつのユニットが受け持つ帯域(300〜9.5kHz)が、
いわゆる中音域ということか。
NS1000Mの中音域と4343の中音域は、4343のほうがいくぶん広いが、ほぼ重なり合っている。

このへんの帯域は、上に書いた瀬川先生の分類では、
中音域と中高音域と足したもの(450〜4.5KHz)に、相当するといえよう。

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