「本」の最近のブログ記事

想像力の欠如が、オーディオの「本」をつまらなくしている、いちばんの原因かもしれない。

「紙の本」でも、想像力に関して、まだまだやれることはきっとある。
電子書籍のほうが、想像力に関しては、あれこれやれる。
けれど、安易にやっているだけでは、むしろ「紙の本」に、その点でも負けてしまう。

iPadで読むオーディオの「本」について、考えているところである。
「オーディオを読む楽しみ」は、想像する楽しみへとつながっているはずだ。
そこへ、つなげていくのが、オーディオの本としての役目でもある。

想像力をどこかで失ったのか、それとも想像力をはぐくんでこなかったのか、
およそ想像力のカケラもない人は、オーディオには向いていない、とはっきりと言える。

想像力がなければ創造力は持ちえない。
音を創造することもできない。

もっとも、そういう人たちは、
「音を創造するなんて、もってのほか」と顔を真っ赤にして反論するであろう、
ある意味、シアワセな人たちである。
読むことに関しては、本で読もうと、パソコンの画面上で読もうと、
同じであろうはずなのに、やはり違う。

このことについては、別項の「Noise Control/Noise Designという手法」で述べている。

audio sharing、このブログをやっていて、こんなことを書くのはなんだかだが、
ウェブマガジンというものは、いまあるものではなく、もっと別のかたちだと思っている。
そんなふうに思っていたこともあって、紙の本にこだわろうとしてきた。

でも、もう「紙の本」でなくてもいい、と考えている。
いまはCDだけでなく、DVD-Audio、SACDもあり、容れものとしてはCDよりも大きい。
さらにネットでは、ハイビット・ハイサンプリングレートによる配信も可能になっている現在では、
1980年半ばのCDを附録としたオーディオ雑誌よりも、
より精確に試聴室で鳴っていた音を収録することは可能になっている。
やろうとおもえば、試聴室で取材そのものをライヴでネット中継することもできる。

時代が、技術がさらに進んでいけば、それじゃ、オーディオ雑誌はいらなくなるのか、というと、
決してそうじゃない、やっぱりオーディオを読む楽しさは、
これから先もずっとずっとつづいていくと固く信じている。
このブログを書いていくにあたって、想定している読者が、ひとりいる。

13歳のころの、オーディオに関心をもちはじめたばかりの「私」だ。

1976年、このころは、読むオーディオの楽しみが、それこそあふれていた。
五味先生の「五味オーディオ教室」は、まさしくオーディオを読む楽しみそのものだった。

いまあのころの私がいたとして、その私に「オーディオを読む楽しみ」を体験してほしい、と想うからだ。
CDが附録としてついてくる雑誌は、もうめずらしくも何ともなくなってしまったが、
CDが登場し普及しはじめたころ、1980年代の半ば、新しいオーディオ雑誌が創刊され、
CDがついてきていた。おそらくもっともはやくCDをつけた雑誌のひとつだろう。
もしかすると世界初だったのかもしれない。

このオーディオ雑誌(誌名を忘れてしまった)は、試聴室で鳴っていた音を録音し、
それをそのままCDに収録して、いわば音の出る本として売り出してきた、と記憶している。

この本が出た時は、まだステレオサウンド編集部に在籍しており、
編集部内でも、無視できないものとして発売日に購入していたはずだ。

このオーディオ雑誌は、結局成功しなかったようだ。
理由はいくつかあろうが、オーディオには「読む楽しみ」があるということを、
再認識させてくれたように思う。

オーディオの楽しみには、いくつもある。
いい音を出す楽しみ、いい音で好きな音楽を聴く楽しみ、それらに負けないくらいの魅力を、
「オーディオ(音)を読む楽しみ」はもっている。
紙の本、ということにこだわってきたところがある。

そのためか、本の理想としても、紙の本がそうであるように考えてきたところが、どうしてもある。
紙の本の延長線上に、理想の本の形態があるようにも思ってきた。

だから電子書籍、というよりも、電子紙(電子ペーパーとはあまりいいたくないので)の実現を、
あれこれ妄想し、理想の電子紙から電子書籍について考えをめぐらしていた。

いまのところ、電子書籍のなかに、パソコンで読むことも含まれているだろう。

ページをめくるという感覚ではなく、巻紙のようにスクロールしていく感覚。
パソコンで文章を読むことに、抵抗は特にもってはいないが、
それでもじっくり読みたいものは、それこそ紙の本で、という想いは、誰しもお持ちだろう。

でもオーディオの本として、紙の本からは、
昔からくり返し──それこそどれだけ言われてきたかわからないくらいだが──、
誌面から、音は出ない。音が直に伝わってくるわけではない。

そこからオーディオ評論が生れてきた、ともいえる。

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