タンノイ・オートグラフ

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五味先生の本「五味オーディオ教室」でオーディオにどっぷりつかってしまった私にとって、
五味先生の書かれたものが、いわば「核」である。

だからタンノイのオートグラフは、JBLの4343とも、他のどんなスピーカーとも、
私の裡では、別格の存在であり、憧れである。

2000年に、タンノイがオートグラフを復刻した時は、真剣に欲しいと思った。
親になんとか借金してでも、と思いもしたが、
オートグラフを迎え入れる部屋が用意できない。
それに、いくらなんでも500万もの借金は、頼めない。

「なぜ、限定なんだろう」と憾んだものだ。

タンノイには、オートグラフと、ほぼ同じ構成のウェストミンスターがある。
いまのウェストミンスター・ロイヤル/SEは何代目だろうか。
息の長いスピーカーで、確実に改良され、堂々とした風格をもつ。

オートグラフでなくてもいいじゃないか、
ウェストミンスターのほうがずっと使いやすいだろう、という声が、裡にある。

オートグラフとウェストミンスター、どちらがいいか、そんなことを人に聞かれたら、
ためらわずウェストミンスター・ロイヤル/SEをすすめる。

だが自分のモノとするとなると、話は違う。

やはりオートグラフである。

ウェストミンスターは、何度か、ステレオサウンドの試聴室で聴いている。
聴き惚れたこともある。
試聴室で、取材がおわったあと、ひとり鳴らしたブラームスのピアノ協奏曲のロマンティックな甘美さは、
いまも耳に残っている。
これがブラームスだ、そう思って聴いていた。
アバドとブレンデルの演奏だった。

そうなのだ、私にとって、ウェストミンスターはブラームスである。
オートグラフはベートーヴェンである。

この違いは、私にとって、決定的であり、どうやって埋められない違いである。

言葉足らずで、なんのことか、わかってもらえないだろう。

それでも求めるのは、ベートーヴェンであり、オートグラフである。

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このページは、audio sharingが2009年2月 9日 22:55に書いたブログ記事です。

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