Date: 10月 20th, 2026
Cate: アクセサリー

3M Novec Contact Cleaner(その2)

六年前に紹介した3MのNovec Contact Cleanerは重宝していた。オーディオ好きの友人、知人にも勧めていた。

Contact Cleanerとあるが、このクリーナーは電子機器内部の優秀なクリーナーでもある。プリント基板を洗浄したい時、私は、これを使っていた。

近々使いたいので、今日、用事が終ったあと秋葉原の海神無線に寄ったら、ない。訊いたら製造中止になった、とのこと。

代わりを見つけなくてはならなくなった。

Date: 10月 19th, 2026
Cate: 瀬川冬樹, 瀬川冬樹氏のこと

瀬川冬樹氏のこと(45真空管アンプ・その3)

小型出力管の45を、パワーアンプではなくラインアンプに使おうと考えて書いたのが(その1)なのだが、そこから五年、ようやく動き出した。

信号系のトランスは手持ちがある。抵抗やコンデンサーも、必要とする数が少ないので、すぐに揃う。
回路もすでに決めている──、にも関わらずそのままになっていたのは、真空管のソケット。
それも45用のUXソケットで、これだというモノがなかなか見つからなかったことが、一番の理由。

別項でも書いているように、いまでも新品のUXソケットは作られている。それらを使えば済むことなのに、なんとなく使いたくない、少なくとも45用のソケットとしては使いたくない気持があった。

ないものはしかたないのだから──、と考えもした。でも、この45アンプは、コントロールアンプとパワーアンプ間に挿れて使う。
つまり、なくても音は出せるわけで、そういうモノをあえて作って、45という直熱三極管の音を加えようというだけに、じっくり時間をかけて、使いたい部品(ソケット)が手に入ったら、そこからスタートしよう、と。

時々ヤフオク!やeBayで検索していた。日課としていたわけではないから、たまたまでいいモノが出品されているかどうか。いままでは、そう、うまいこといかなかった。

本当に、新品で、これならばと思えるUXソケットは少なくなっている。

やっとヤフオク!で見つけて、昨日落札した。

Date: 10月 18th, 2026
Cate: 再生音, 快感か幸福か

必要とされる音(その19)

1979年発行のステレオサウンド別冊HIGH TECHNIC SERIESの四冊目は、「魅力のフルレンジスピーカーその選び方使い方」。

巻頭座談会「フルレンジスピーカーの魅力をさぐる」は、岡 俊雄、菅野沖彦、瀬川冬樹の三氏による。

この座談会は、当時以上にいま読んだ方が、いろいろと考えさせられる──といっても、現在では読みたいと思ってもなかなか読めなかったりする。

瀬川先生が語られている。
     *
 ぼくは前号の「トゥイーター特集」のときに、トゥイーターを聴くための方便だったのですけれども、久しぶりにJBLのLE8Tの音を、それこそ丸三日以上続けて聴いて、その非常に素直な音に久々に感心したわけです。そして、やはりすごく反省しました。つまり、日頃聴きなれているJBL4343では出てこないような、ある種の素直さがあるのですね。もちろん、ローエンドもハイエンドも十分には出てこないので、「情報量」などという言葉を使うと明らかに何かが足りないのですけれども、同じ「情報量」という言葉を使っても逆に4343で出てこないものがLE8Tでちゃんと出てきているという感じがしたわけです。これならば素直に何時間でも聴いていられるな、という一種の安心感があるのですね。そこで、ぼくは最近何か大事な音を忘れていたのではないかという気持になって、矢も盾もたまらず、今回のフルレンジテストの一員に加えてくれ、といって強引に割り込んでなわけです。
     *
これを読んでどう感じ、どう思い、どう考えるかは、その人次第ではある。

Date: 10月 17th, 2026
Cate: 再生音, 快感か幸福か

必要とされる音(その18)

アルテックのA4というスピーカーシステムは、ラッパと表現した方がぴったりくる。
変換効率重視のウーファーとドライバー、エンクロージュアはフロントショートホーンで、ホーンは昔ながらのマルチセルラホーン。

周波数帯域も両端ともすっとのびているわけではない。典型的なナロウレンジのスピーカーである。

だからというか、いまどきのハイエンドスピーカーシステムのような細部の表現はしない。しない、というよりもできないといった方がいいのだろうか──、と思いながらも、ここでも瀬川先生が書かれたことを思う。

《楽器をいじる人にきいてもらうと、演奏のテクニックがいちばんよくわかるという》というのは、
別の意味での、別の次元での細部の表現が優れているということではないのか。

Date: 10月 16th, 2026
Cate: ショウ雑感

2026年ショウ雑感(その9)

一週間後に開催のインターナショナルオーディオショウ。今年、多くの注目を集めるのはB&WのD5シリーズと、JBLのSummitシリーズだろう。

どちらも多くの人がそれぞれのブースに訪れるだろうから、音を聴けるのだろうかと、思ったりもする。

D5シリーズもSummitシリーズも、オーディオ雑誌での評価は高い。ステレオサウンドの冬号の表紙は、JBLだろう。

Summitシリーズのフラッグシップモデルの写真を見ていると、私はつい4343と比較してしまう。

4343の登場から五十年。技術、音の変化以上に、デザインの変化に、思うところがいろいろある。

音を聴けば、それも変化するのだろうか。

Date: 10月 15th, 2026
Cate: 名器

名器、その解釈(JBL 4343の場合・その3)

JBLの4343は、ステレオサウンド 41号で登場している。1976年12月発売の号である。

二年後の49号の特集は、State of the art(ステート・オブ・ジ・アート)だった。
4343は、State of the artに選ばれている。

4343が名器かどうか。そのことについて書いているわけだが、4343は、いまふり返ってもState of the artだったと思っている。

49号の特集の冒頭は、それぞれのオーディオ評論家による“State of the art”の解釈が載っている。みんな、この解釈の難しさについて書かれていた。

“State of the art”を、どう解釈するかで4343はState of the artなのかどうかは違ってこようが、4343は名器とは少し違うと感じている私は、“State of the art”イコール名器とか解釈していないからこそ、4343はState of the artだと思う。

Date: 10月 15th, 2026
Cate: レスポンス/パフォーマンス

一年に一度のスピーカーシステム(その12)

別項で、「違いがわかっても、違いしかわからなかったりする」を書いている。
この、違いがわかっても、違いしかわからなかったりする人は、レスポンスのいい人とも評価されがちだ。

違いしかわからなくても、少なくとも違いはすぐにわかるのだから、その人はレスポンスがいいのは、その通りだろう。

でも違いしかわからないのであれば、そこにパフォーマンスの高さは、ない。

人に限った話ではない。スピーカーも同じだ。

Date: 10月 15th, 2026
Cate: 604-8G, ALTEC

ALTEC 604-8G + Sansui EC10(その2)

サンスイのECシリーズのカタログの冒頭には、こうある。
     *
JBLのエンクロージャーは厳選した高級合板や硬質圧縮材を使用、不要な共産や振動を防ぐ卓越した設計をしているようにECシリーズも厳選した素材を使って、入念な手造りの仕上げをしています。EC-10、EC-20、EC-30はすべてバスレフ型エンクロージャーですが、その最大の特徴はバッフル板に18mm、13層の北欧産桜等厚合板を採用したことです。緻密な材質で、板振動特性に優れた桜合板製バッフル板がエンクロージャーとしての完成度を高めています。
北欧産桜等厚合板のバッフル板と特殊硬質パーチクルボードの天板、側板の接続は〝止め構造〟を採用しています。これはバッフル板を含めて全ての板面の接合面積が広いため、強度が高い一体化構造となり、しかも板振動も理想的なものです。
また、内部には米松の補強材を十分取り付けており、ウーファーの圧倒的な重低音再生にも箱鳴りや音像のくずれはありません。
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JBLのスピーカーシステムのエンクロージュアの材質を全て知っているわけではないが、少なくともECシリーズ登場以前で、北欧産桜等厚合板が使われたことはない、と思っているし、井上先生が、ステレオサウンド 62号掲載の「JBLスタジオモニター研究」で、このように書かれている。
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 また補強棧が多く使われていることも目立つ変化である。とくに、4343系と比較すれば、天板と底板に、横方向に大きな補強棧が使われているのが特徴である。この補強棧の使用法は、低域の再生能力を改善する目的で使われる例が多く、国産のスピーカーシステムでは低域の改善方法として採用されている標準的な手法である。裏板の補強棧の使用法も4343系と大きく異なるが、エンクロージュア側板の補強棧が、横位置から縦位置に変更されていることも含み、エンクロージュアの鳴きを抑える方向ではなく、適度に響きの美しさをいかす方向のチューニングであることがわかる。これは、バッフルボードに約19mm厚の積層合板が採用されていることからも明らかなことである。積層合板がバッフル板に使用されたのは、正式に公表されたものとしては(筆者は以前JBLのエンクロージュアで、同じ型番のものでも、チップボードを使ったり、積層合板を使ったりしているものを見ている)、JBL初のことと思われる。
     *
サンスイのECシリーズはJBLとの共同開発なのだが、一方的にJBL側からのアドバイスを受けての設計ではなく、サンスイ側からも提案がなされたのではないのか。

その結果、ECシリーズが登場し、そこでの成果が4343の後継機の4344のエンクロージュアに活かされているようにも思われる。

そのECシリーズのエンクロージュアにアルテックの604-8Gを取り付けるわけだから、エンクロージュアの響きは殺さず、歪めず鳴らしたいと考えている。

Date: 10月 14th, 2026
Cate: 604-8G, ALTEC

ALTEC 604-8G + Sansui EC10(その1)

アルテックの604-8Gのためのエンクロージュアをどうしようかとあれこれ探していた時、ヤフオク!を眺めている時間は長くなっていた。

アルテック純正の620A、620Bエンクロージュアが出品されているのも何度か見ている。
落札しようかと思いながらも、いまひとつ決心がつかなかったのは、オリジナルであることの面白みが欠けること、それにネットワークはオリジナルを使うつもりは最初からなったから、フロントバッフルに開けられているネットワーク用の開口部をどうするかが、主な理由だ。

不要な開口部はメクラ板でふさげばいいのだが、このメクラ板の仕上げをどうするか。黒で塗るにしても、なんとなくしまらない感じがする。

何度も入札の一歩手前で留まっていた。次に目をつけたのは、タンノイなRectangular Yorkのエンクロージュアだった。620エンクロージュアよりも少しばかり小さいのも気に入っていた。

ヤフオク!には、620エンクロージュアよりも出ている。それらを眺めていて気づいたのは、フロントバッフルのユニット取付用開口部の中央、垂直に補強桟が入っているモノとないモノとがある。

Rectangular Yorkは、私がオーディオに興味を持つ以前の製品ということもあって、詳細をそれほど知らない。とはいえ、この違いは気になる。

Rectangular Yorkで画像検索していくと、搭載ユニットがHPD385に変更になってから、この垂直の補強桟が設けられたようである。
なぜかというと、HPD85になりユニットの重量が増している。アルテックもタンノイの同軸型ユニット、特にアルニコ時代のモノは重いだけでなく、ユニットの奥行きも長い。

このことはフロントバッフルへの荷重が、かなりあるというこたで、それだけフロントバッフルにはテンション(ストレス)がかかっている。

おそらくだが、開口部垂直の補強桟がなければ、HPD385になってからの荷重に、Rectangular Yorkのフロントバッフルは耐えられなくなっていたのだろう。

フロントバッフルへの荷重が増してテンションも大きくなると、フロントバッフルの響きは、それまでとは違ってくる。

Date: 10月 13th, 2026
Cate: スピーカーとのつきあい

BOSE 901がやって来た(その3)

昨年の11月に、BOSEの901 SeriesVがやって来て、ほぼ一年。タンノイのコーネッタの内側に置いているため、左右の901の間隔は広くない(狭い)。

きちんと鳴らすのであればコーネッタの位置に置きたいところだが、そのためにスピーカーを移動するのは面倒と感じるから、やっていない。

901を頻繁に聴いているわけではないが、901は、その独自のユニット配置によるところが大きいけれど、同じくらいにフルレンジユニットの採用も、また901の大きな特徴だと感じる。

昔の901の広告で、3ウェイのブックシェルフ型スピーカーを九本、901のユニット配置のように三段三列、中央のスピーカーだけ正面を向くように置いた写真があった。

この広告を見た時、この音を聴いてみたいと思った。ほぼ一年間、時々ではあるが901の音を聴いていると、やはりこの広告の音を聴いてみたいと思うが、この「聴いてみたい」はずいぶん変っている。

昔は、901のユニット配置の良さを活かして、となると、この写真と同じことをやった方がいいと思っての「聴いてみたい」だったのが、いまではフルレンジユニットだからこその901の良さを確認するための「聴いてみたい」になっている。

901に搭載されているフルレンジユニットの口径は10cmだから、高域も低域ものびているわけではない。九本のユニットを使っているといっても、一本一本は10cm口径のユニットでしかない。

10cmから16cm口径、20cm口径のフルレンジユニットの音の魅力(ここでのフルレンジは同軸型ではなく、シングルボイルコイルのユニットのこと)は、中低域にあるといえる。

Date: 10月 12th, 2026
Cate: ディスク/ブック

66 2/3

偶数月の日曜日に開催されるサンデー・ほっと。ここでかかる音楽は、当然ながらジャズ主体。

ジャズの熱心な聴き手ではない私には、かなりの曲が初めて聴くものとなる。サンデー・ほっとではプレイリストも用意されているけれど、私にとってはShazam(曲名検索アプリ)が便利でいい。

マニアックな選曲もあって、全てが検索できるとは限らないが、大半の曲はヒットする。すごい、と思うとともに、検索結果の曲の多くはApple Musicでも聴けることが、便利すぎると言いたくなる。

帰宅して全ての曲を聴きなおすわけではないが、気になった曲、アルバムは聴く。

昨日のサンデー・ほっとで、こればかりはアルテックのA4じゃなきゃ、ここまで鳴らないな、と感じたのはアルバム“The Frank And Joe Show”の“66 2/3”だった。
ただ残念なことに、Apple Musicでは聴けない。他のストリーミングでも聴けない。

このアルバムの一曲目、“It Might As Well Be Spring”、他のスピーカーではどんなふうに鳴るのか。

Date: 10月 11th, 2026
Cate: 再生音, 快感か幸福か

必要とされる音(その17)

今日(10月11日)は、サンデー・ほっとの四回目だった。

今年4月から本格的に鳴ることになったアルテックのA4。それまでほとんど鳴らされなかったA4が、だんだんと鳴りが良くなってきているように、今日は特に感じた。

その音を聴きながら、ステレオサウンド 9号で、
《JBL、タンノイとくらべると、アルテックは相当変った傾向の音といえる。楽器をいじる人にきいてもらうと、演奏のテクニックがいちばんよくわかるという》
と瀬川先生が書かれていたことを思っていた。

そんなことを思って聴いていたから、そういえる音に近づいているかなぁ、と思ったわけだが、他の人はどう思っていたのかはわからない。

はっきりとそういえる音が、A4から鳴ってきたときこそ、必要とされる音になった、といえるはず。

Date: 10月 10th, 2026
Cate: ディスク/ブック

文藝春秋 2026年11月号

ひさしぶりに文藝春秋を買った。昨日発売の11月号には、内田光子のインタヴューが載っている。

引用したいこと、書きたいことはいっぱいあるけれど、文藝春秋 11月号を買えば読めるのだから、これだけでいいだろう。

Mark Levinsonというブランドの特異性(その57)

ずっと考えていたことがある。
初期のマークレビンソンのアンプ、いいかえると回路設計にジョン・カールが携わっていたアンプ、具体的にはJC1、 JC2、LNP2、ML2といったアンプ。

これらとトム・コランジェロが回路設計に携わったアンプ、ML3、ML7、それ以降のアンプ。

明らかに音が違う。
黒田先生は、 ML7以前のマークレビンソンのアンプの音には、ナルシシズムを感じる──、ステレオサウンド 59号で、そのような主旨のことを書かれている。

ML7からは、ナルシシズムが感じられない、とも書かれている。

納得できると、黒田先生の文書を読んでそう思いながらも、完全に納得できていたわけでもなかった。つねに、ほんとうに初期のマークレビンソンのアンプの音にはナルシシズムがあったのか、と腑に落ちないところもあった。

ここにきて、やっと私なりの結論が見えてきた。
初期のマークレビンソンのアンプにあったのは、少なくとも私が感じたのは、しかもそれを他のアンプにはない魅力と感じたのは、マーク・レヴィンソン自身の飢餓だ、と。

その飢餓が、トム・コランジェロと組んでからのアンプからは感じとれなくなった。

Date: 10月 8th, 2026
Cate: 戻っていく感覚

サンスイ EC10が、JBL 2220Bとともにやって来た

9月30日に落札したサンスイのEC10が、やって来た。ヤフオク!の商品説明にもあったように約一週間かかっての到着。
軒先き渡しなので、しかも大型なので梱包もしっかりしてあって、受け取ったあとは一人で作業。

開梱も、しっかりした梱包だな、と何度も思いながら時間をかけてやっていた。開梱のあとは梱包材の片付けで、あれこれ四十分ほどかかってしまった。

EC10のサイズは、JBLの4343に近い。横幅と高さは少し小さいが、奥行きはEC10の方がある。重量はスピーカーユニットか2220Bだけなので、4343よりは軽い。とはいえ、なかなかの大きさ。

まだスピーカーユニットの換装はしていない。2220Bがついているのを見ていると、私のところにはJBLのホーンとドライバーが三ペアあるから、一度は、JBLでの組合せも鳴らしてみたくなったし、BOSEの901SeriesVを中心に、上はエラックのリボン型、下はEC10+2220Bで補強してみるのも面白そうだと思い始めている。

EC10には、ECシリーズのカタログと取扱説明書も付いていた。カタログには、昔の秋葉原にあった光陽電気の判があった。
ということは、最初のオーナーは東京(もしくは近郊)で購入。その後、引越しされてそこで処分されて買取店に引き取られたのか。
それとも個人売買を経て、福岡あたりまで行き着いたのか。

はっきりとしたことはわからないが、少なくとも東京から福岡に行き、そこでヤフオク!へ出品。それを東京に住む私が落札。

EC10が発売になって、ほぼ五十年。その間にずいぶん移動している。