Date: 8月 17th, 2025
Cate: 真空管アンプ

McIntosh MC275(その4)

すでに書いているように野口晴哉氏のMC275のKT88を四本交換したわけだが、何かの参考になるかもしれないので、少し詳細を書いておく。

野口晋哉さんから、MC275の電源が入らない、と連絡があった。すぐには行けなくて、7月のaudio wednesdayでのチェックになった。

まずフューズをチェックすると、やはり切れている。野口晴哉氏のリスニングルームには、KT88が挿さっていないMC275があるので、
そこからフューズを取り出して、交換する。

電源を入れると、MC275本体から、雑共振っぽい汚い音がする。
見ると、左チャンネルのKT88の一本の上部が白光している。そして交換したばかりのフューズも切れた。

この日はaudio wednesdayなので、音を出すことを優先して、
MC275にこれ以上時間をとられるわけにもいかないし、替えの部品があるわけでもないので、後日、再度チェックすることになった。

その間に、すでに書いているようにPSVANEのUK-KT88とLittle Fuseのフューズを用意してもらった。
PSVANEはAli Expressから、Little Fuseはアスクルから、である。

アスクルは、こんな部品も扱っているのか、と思っていたが、
届いた商品はRS Componentsの箱に入っていた。提携しているようだ。

なぜなのかははっきりしないが、野口晴哉氏のMC275にはファストブローのフューズが入っていた。
MC275の指定は、スローブローの5Aである。

フューズを交換する前に、MC275の底板を取って、中を目視する。
焼けていたり、劣化していたりする部品がないかをチェックする。
底板を付けてフューズを入れる。
次に、新品のKT88四本を、いきなり挿すことはしない。

左チャンネルのKT88二本を抜いて、そこに右チャンネルのKT88二本を挿し替える。
右チャンネルにはKT88が挿さっていない状態で、電源を入れる。
KT88は無事なのを確認して、PSVANEのUK-KT88四本と交換。
問題なく電源は入るとわかっていても、全く不安がないわけではない。
それでも入れる。問題なく動作するようになった。

Date: 8月 16th, 2025
Cate: 老い

二十五年

audio sharingは、2000年8月16日に公開した。
今日で二十五年。

あのころは37歳だったのが、いまは62。
四半世紀経ったのだから、当然なのは頭でわかっていても、
いろいろあったなぁ、と振り返ると、
あと二十五年は、たぶん無理だろうな、と思う。

五年前は、誰かあとを引き継いでくれる人はいないだろうか、と、思っていたけれど、
いまはそういう人はいない(現れないだろう)のだから、
私がくたばったあとは、いつの間にか消滅しているはず。

それでいいと思うようになった。

音も音楽も所有できない。
私が出している音も、鳴った次の瞬間、消えてしまうのだから、それがいい。

Date: 8月 15th, 2025
Cate: 日本のオーディオ

日本のオーディオ(DIASOULのこと・その5)

このことはダイヤソウルだけに言えることではなく、ごく小規模のオーディオメーカーほぼ全てに関係してくることだ。

ダイヤソウルの製品は修理ができるのか、である。
ぴあ分室のDIASOUL.AIのウーファー用のアンプとシステム全体の専用ネットワークは、
すでに書いているように大阪のMさんによって置き換えられている。
より良いモノに置き換わっているともいえる。

オリジナル至上主義の方からすれば、この時点でけしからん、となるだろうが、
ダイヤソウルという会社もなく、設計者も亡くなられているのだから、
内蔵アンプ、専用ネットワーク、どちらも不具合が生じていたのだから、
私もMさんと同じように何かに置き換える。

エレクトロニクス系は、まだいい。
けれどスピーカーユニットが破損したら、どうするのか。
同じようなスピーカーユニットが手に入るだろうか。

修理不能となる可能性が高い。
このようなことは、ダイヤソウルと同じ規模のオーディオメーカーにもいえる。

メーカーはあっても、古い機器となると修理を、そのメーカーでは受け付けてくれなくなる。
製造中止になって、けっこうな時間が経過しているのならば、仕方ない。

けれどダイヤソウルのようにわずか数年で会社が倒産してしまったら──。
そんなことを心配していたら、モノは買えない、という声はある。それもわかる。

それほど高価でなければ、まあいいだろう。
だがペアで一千万円するモノが、修理不能になってしまうのは、購入した人ならば、納得いかないだろう。

このことはダイヤソウルだけの問題ではない。
完全な安心など、ないわけだが、それでもと思う。

日本には、ほぼ個人でやっているオーディオメーカーがいくつかある。
主宰者が亡くなってしまうと、どうなるのか。

エレクトロニクスの機器であれば、回路図と基板のパターン、部品一覧表といった情報を、
例えばオーディオ協会に預ける、というのはどうだろうか。

そのオーディオメーカーがなくなってしまった時に、修理のために、
必要な、そういった情報を預かっていたオーディオ協会が公開する。

これだけのことでも、修理にあたる人にとっては、役立つ。
売るだけではなく、そろそろこういったことも考えて、
そのためのシステムづくりをやる、そういう時期になっていると思う。

Date: 8月 14th, 2025
Cate: 日本のオーディオ

日本のオーディオ(DIASOULのこと・その4)

DIASOUL.AIのエンジニアは、スピーカーエンジニアということに、普通はなる。
アンプを開発・設計する人はアンプエンジニアと呼ばれるわけだが、スピーカーエンジニアとして、アンプエンジニアとして優秀だとしても、
だからいって優れたスピーカーシステムやアンプを製品化できるとは限らない。

DIASOUL.AIに搭載されているスピーカーユニットは、その技術的特徴から、
ダイヤトーンから供給を受けているモノだとわかるし、
個々のスピーカーユニットの性能は優れているはず。

けれど優秀なスピーカーユニットを揃えたからといって、優れたスピーカーシステムができあがるわけではない。
オーディオエンジニアリングがあってこそ、特にスピーカーシステムの場合は、
優れたスピーカーシステムの実現につながる。

DIASOUL.AIのエンジニアは、オーディオエンジニアであったのだろうか。

(その2)でもリンクしているPhile webの記事では、
S/N比の獲得、向上とあるが、
スピーカーシステム全体としての聴感上のS/N比に関しては、
オーディオエンジニアリングとしては、まだまだと言わざるをえない。

大きく手を加えるのではなく、わずかなことをするだけで聴感上のS/N比が良くなるのに──、
そう思える箇所がいくつもある。

DIASOUL.AIのエンジニアの周りには、オーディオエンジニアリングについて助言してくれる人はいなかったのか。
それともDIASOUL.AIのエンジニアが、そういう声があったけれど、聞かなかったのか。

どちらかなのかは私にはわからないけれど、
DIASOUL.AIの音を聴いて思うのは、助言を受け入れなかったのだろう。

Date: 8月 13th, 2025
Cate: 日本のオーディオ

日本のオーディオ(DIASOULのこと・その3)

DIASOUL.AIの音は、どうだったのかについて、こと細かに書くつもりはない。
理由はいくつかある。

ぴあ分室という初めて入った環境ということが、まずある。それに自分でセッティングしたスピーカーではないこともある。
比較試聴できる他のスピーカーがあったわけではないこと。
そしてDIASOUL.AIには、大阪のMさんの手が加えられているからだ。

Mさんによると、Mさんがオーディオの方もまかされるようになってあれこれ見ていくと、
手直しというか、修理に近いことをやっていく必要があった、とのこと。

DIASOUL.AIのウーファーは、パワーアンプ内蔵のアクティヴ型だが、まずここに不具合があった、という。
その不具合がどんなだったのかも聞いているけれど、
お粗末なつくりから来ていることもある。

エンクロージュアの仕上げはピアノ塗装できちんとしていても、
表面にあらわれていないところに関しては、そうではない。

2017年にペアで一千万円するスピーカーとは思えない。
DIASOUL.AIだけでなく、他の高価なスピーカーの中にも、けっこうお粗末なつくりだったりするモノはあったりするが、
DIASOUL.AIは製品としての仕上げが、手を抜いているとしか思えない箇所が、けっして一つではない。

それでも肝心なのは音であって、音が良ければ、いい。
DIASOUL.AIの音は良かったのか。

ぴあ分室のDIASOUL.AIは、ウーファーは内蔵アンプの不具合で、マークレビンソンのアンプがあてがわれていた。

それにDIASOUL.AIには専用ネットワークコントローラー、NW1が付属しているが、
これもまた不具合が発生していて、トリノフ・オーディオの ST2 HiFiに置き換えられている。
このST2 HiFiも、マークレビンソンと同じくMさんの私物。

こんなふうに本来のDIASOUL.AIとは違う。
その上での音の印象を語ると、頑固なスピーカーだなぁ、だった。

この頑固はスピーカーに関してよりも、設計者に向けてのほうが強い。

Date: 8月 12th, 2025
Cate: 日本のオーディオ

日本のオーディオ(DIASOULのこと・その2)

オーディオ業界で昔から言われていることがある。
どんなオーディオ機器であっても、最低二台(スピーカーならば二セット)は売れる。
次が二十台、二百台、二千台、二万台……、と推移していくと。

昭和のころ聞いた話だから、いまのように高額化が天井知らずになっている状況でも当てはまるのか、
それはなんとも言えないが、そうかも、と思いながら聞いていた。

ダイヤソウルのスピーカーシステム、DIASOUL.AIがどれだけ売れたのか。
私はニセットほどかも──、と思っている。

一台(一セット)は、今回聴いたところにある。
もう一セットは関西の方で買われた人がいる、とのこと。

何年か前にプロトタイプがヤフオク!に出ていた、とも聞いている。

もっと売れていたのかもしれないが、そうだとしても十セットも売れているとは思えない。

そんなDIASOUL.AIを今回、じっくり聴くことができた。実物を見たのも、昨晩が初めてだった。

東京にある一セットは、個人購入ではなく、ぴあ株式会社が購入したもので、
このことはDIASOUL.AIの紹介記事の中でも触れられている。

そういうにところあるDIASOUL.AIを聴くことができたのは、大阪のMさんのおかげだ。

Mさんはホームシアターの専門家で、四谷三丁目にあった喫茶茶会記でaudio wednesdayをやっていたころから参加されていた方。
2024年から再開しても来られることはなかったが、今年になって毎月参加されている。

DIASOUL.AIは、ぴあ本社ではなく近くのぴあ分室と呼ばれているところにある。
Mさんは、ぴあ分室のホームシアターを最初手がけられていて、その後、DIASOUL.AIのシステムの方も任せられるようになった、とのこと。

ぴあ分室にはぴあが購入したモノだけでなく、Mさんの私物(主にアンプ関係)もある。
そこで、今回、DIASOUL.AIを聴いた。

Date: 8月 12th, 2025
Cate: 日本のオーディオ

日本のオーディオ(DIASOULのこと・その1)

オーディオの面白さは、スピーカーにある、と言っても言い過ぎにはならないほどに、
スピーカー(システム)の存在は、オーディオ・コンポーネントにおいても、ユニークと言える。

スピーカーは全て違う。
にも関わらず、日本のオーディオメーカーは、ある時期、598戦争と呼ばれるほどに、よく似たスピーカーばかりを出していた。

それを煽っていた(といえる)オーディオ評論家がいた。おかしな現象だった。

本来、個性的な存在であるスピーカーが、没個性に陥ってしまったのだから、
このことについてオーディオ雑誌(ジャーナリズム)は、きちんと振り返って記事として残すべきだと考えるが、
たぶん、どのオーディオ雑誌(評論家)も、ダンマリのままだろう。

2015年にDIASOUL(ダイヤソウル)というスピーカーメーカーが誕生した。
元三菱電機のエンジニアの寺本浩平氏が立ち上げた会社(ブランド)だ。
オーディオ関係のウェブで取り上げられていたから、記憶されていた方もいよう。
第一弾のスピーカーはDIASOUL i、2017年に改良モデルの
DIASOUL.AIを出している。

どちらのウェブ記事もなんとなく記憶しているが、特に聴いてみたいとは思わなかったし、
聴く機会もなく終ってしまった。

終ってしまった、と過去形にしたのは、ある事件の記事があったからだ。

Date: 8月 12th, 2025
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第二十夜

9月のaudio wednesdayは、3日。
テーマはまだ決めていない。

今月の会があまりにも暑すぎた反省もあって、
気持的にはウェストレックス・ロンドンを、また鳴らしたのだが、
野口晴哉氏のリスニングルームにはエアコンがないので、
多少暑さが落ち着けばいいけれど、そうでなかったら……、と悩んでいる。

今年の6月まではリスニングルームに接している和室(稽古場)だった。こちらはエアコンがある。
こちらでやるとなるとスピーカーを用意することになる。

Date: 8月 11th, 2025
Cate: ディスク/ブック

ソリの道をさがして(追補)

先日の投稿で紹介した「池成子伽琴独奏のための南道民謡・雑歌 ソリの道をさがして」のCD、
購入できるところがうまく見つからない、という声があった。

発売元のページをリンクしておく。

Date: 8月 11th, 2025
Cate: 会うこと・話すこと

会って話すと云うこと(その34)

audio wednesdayを毎月やっていても、意外と話す時間は取れなかったりする。
音、音楽を聴いてもらうことを優先しているからそうなるわけなのだが、
十分な時間の中で話す楽しさは、忘れたくない。

昨年末、恒例の忘年会をやる予定だったのが、
私の喉の不調(まったく声が出なくなっていた)で、取りやめ。

今日、久しぶりに数人と会って、あれこれ話していた。
14時集合で解散は22時ごろ。
途中から参加の人、20時くらいに帰られた人を含めて五人、
楽しい語らいの時間だった。

そして今日は、珍しいスピーカーを聴くこともできた。
そのスピーカーの登場は知っていたけれど、聴く機会はなかったし、
どうしても聴いておきたいスピーカーでもなかったから、
意外な出合いと感じた。
おそらく、このスピーカーは2セットくらいしか売れていない、と思う。
そんなに少ないはずはないだろう、と思われるかもしれないが、
そういうものである。

そういうスピーカーでも、聴く機会がふと訪れる。

Date: 8月 10th, 2025
Cate: audio wednesday, 終のスピーカー

エラック 4PI PLUS.2のこと(その18)

エラックの4PI PLUS.2を、どこに置くのか。
そのことによって、音はずいぶんと変化する。

スピーカーユニットを組み合わせて自作スピーカーに取り組んでいる人ならば、
常に実感していることでもある。

4PI PLUS.2でもそうなのだが、それでも、このリボン型トゥイーターは、かなり鷹揚な性格でもある気がしている。

昨年、今年のaudio wednesdayでは、七つのスピーカーシステムと組み合わせている。

2024年4月、アポジーのDuetta Signatureに、
5月、Western Electricの757Aレプリカに、
7月、メリディアンのDSP3200に、
12月、BOSEの901 Series Vに、
2025年1月、JBLの4343に、
3月、4月、5月、フランコ・セルブリンのKtêmaに、である。

スピーカーの天板の上に置いたこともあるし、ちょっと離れたところに置いたこともある。

スピーカーの天板の上の場合には、前後に移動するだけで音が変るわけで、
メインスピーカーから離れたところに置くのであれば、どうなるのか。

昨年4月のアポジーの時と今回は、スピーカー本体から1m以上離れたところに置いている。

しっかりしたスタンドが用意できれば、それも高さ調整できるモノであれば、
4PI PLUS.2の位置を、大胆に、そして細かく調整していけるが、今回もスタンドは用意できなかった。

そうなると4PI PLUS.2を置ける位置は、自ずと決まってくる。
アポジーの時には左右にはかなり調整幅があったが、今回は、ほぼワンポイントだけだった。
なので、今回は、4PI PLUS.2の位置調整はまったくやっていない。

Date: 8月 9th, 2025
Cate: High Resolution

MQAのこれから(新譜CD)

MQA推しの私でも、ここ最近のMQA-CDの発売状況は、寂しく感じている。

それでもまったく発売されなくなったわけではなく、
ユニバーサルミュージックは、数は少なくなっているものの、
いまでもMQA-CDの新譜を出してくれている。

それから麻倉怜士氏と潮晴男氏によるUltra Art Recordからは、
情家みえの新譜が、やはりMQA-CDで発売になることは、
オーディオ関係のウェブサイトで紹介されている。

この他にも、MQA-CDを出しているところがある。
昨晩知ったばかりの会社で、
東武レコーディングスという。

これまでは通常のCDだけだったのが、今年になりMQA-CDでも発売するようになった。

今日現在で発売されているのは、「ピアノ4手によるチャイコフスキー:交響曲全集」の一枚だけだが、
今月下旬には、クレンペラー指揮エルサレム交響楽団によるマーラーの交響曲第九番が、
MQA-CDでも発売される。

売れ行きのよいCDを新たにMQA-CDとして発売しているようで、個人的にはフランス・ブリュッヘンもMQA-CDで出してほしいところ。

Date: 8月 8th, 2025
Cate: audio wednesday, ディスク/ブック

クラシック音楽における自然描写(さそうあきら氏の選曲)

8月6日のaudio wednesdayで、さそうあきら氏の選曲リスト。

ベートーヴェン:交響曲第六番「田園」 第一楽章
カール・ベーム/ウィーンフィルハーモニー

クープラン:「葦」、「オリーブ搾汁器」
クリストフ・ルセ(チェンバロ)

ラモー:「めんどり」、「野蛮人たち」
オリヴィエ・ボーモン(チェンバロ)

ラヴェル:「水の戯れ」
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)

ドビュッシー:「水の反映」、「雪が踊っている」
アルトゥール・ベネデッティ・ミケランジェリ(ピアノ)

ディーリアス:「春初めてのカッコウの声を聴いて」
アンドリュー・デイヴィス/BBC交響楽団

バルトーク:弦楽四重奏曲第四番 第三楽章
アルバン・ベルク弦楽四重奏団

バルトーク:組曲「戸外にて」より「夜の音楽」
ゾルターン・コチシュ(ピアノ)

メシアン:「クロウタドリ」
エマニュエル・パユ(フルート)、エリック・ル・サージュ(ピアノ)

メシアン:「キガシラコウライウグイス」
アナトール・ウゴルスキ(ピアノ)

マーラー:交響曲第九番 第一楽章
サー・サイモン・ラトル/ベルリンフィルハーモニー

当日は、さそうあきら氏の解説付き、そして絵付きだった。

ベームの「田園」は、音楽を聴き始めたころのさそうあきら氏を虜にした音楽(演奏)。

Date: 8月 7th, 2025
Cate: ディスク/ブック

ソリの道をさがして

昨晩のaudio wednesdayの休憩時間に、さそうあきら氏の奥さまのリクエストでかけたCDが、
「池成子伽琴独奏のための南道民謡・雑歌 ソリの道をさがして」である。

伽耶琴(かやぐむ)の録音。
このCDが、とても新鮮だった。
ジャケットを見れば、韓国の琴なんだろうな、と、そのくらいのことはわかっても、
鳴ってきた音は、生々しくすごかった。
リアリティがとてもある。

ウェストレックス・ロンドンで聴いたのも良かったのかもしれない。

2008年ごろの録音だそうだが、かなりの優秀録音として話題になっていてもおかしくないほどなのに、
まったくそうでないのは、レコード店では扱っていないためだろう。

ディスク番号は、TOPCD-122。
私は先ほどヤフオク!で見つけて落札した。
「ソリの道をさがして」で検索すれば、販売しているところはすぐに見つかる。

Date: 8月 7th, 2025
Cate: 終のスピーカー

エラック 4PI PLUS.2のこと(その17)

昨日のaudio wednesdayでは、ウェストレックス・ロンドンのスピーカーに、
エラックのリボン型トゥイーター、4PI PLUS.2を足して鳴らした。

野口晴哉氏は、シーメンスのオイロダインに、デッカのリボン型トゥイーター、DK30を組み合わせて鳴らされていた。
しかもDK30は、ストックとしてなのだろうか、プラス6本所有されていた。

もしかするとウェストレックス・ロンドンにもDK30を組み合わせて、ということを考えておられたのか──、は、いまとなっては確認できないが、
ウェストレックス・ロンドンにリボン型トゥイーターを足すのは、以前から試してみたかった。

7月の会で、ウェストレックス・ロンドンを鳴らした。
今回は同じラインナップで、エラックだけを足して鳴らした。

ウェストレックス・ロンドンは、オイロダイン同様、壁に取り付けられているため、
スピーカーの位置、振りといったセッティングは何もできない。

そのため器材を操作するため右チャンネルのスピーカーよりも外側にいると、
左右の音の広がりは、感じとりにくい。
スピーカーを振れれば──、とは思うけど、それは無理。
けれど4PI PLUS.2を足すと、そのへんの鳴り方が大きく変ってくる。

この変化は、4PI PLUS.2を何度もいくつものスピーカーと組み合わせてきた経験から予想できていたけれど、
それでも驚く。